ベストレビュー
娘の中の父親
象徴的で読み取りの難しい絵本。 何度か投げ出してしまいましたが、繰り返し眺めているうちに、少女の父親に寄せる思いがひしひしと伝わってきました。 少女は父親の死を、帰ってこない旅立ちとして岸辺で見送ったイメージで心に刻みました。 父親が去って一人ぼっちになった自分。 父親への思いは、年月を経ても変わりません。 少女が結婚し、子どもが生まれ、そして年老いて一人になった時、また少女は岸辺を訪れ、父が漕いで去っていったボートの中で、父親に包まれるようにして眠るのです。 自分の生涯と死との対峙。 父親への思いにつつまれながら、岸辺はとても厳粛な場所としてイメージされました。 大人向けでかなりドライな作品です。
[あらすじ]
少女は、父が帰ってくるのを、じっと待っています。年月がたっても父は帰ってきませんでした。
それでも、少女の人生はながれていき・・・・・・。
[内容紹介]
シンプルで美しい画面で綴る娘と父親の物語。愛する人との別れの越え、自分の人生を歩んでゆく娘の姿が静かに強く心を打ちます。2001年アメリカアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したオランダの映像作品を絵本化。うちだややこ氏の日本語訳が作品世界と調和しています。
発売年月:
2003年
03月
在庫状況:
品切れ中(重版未定です)
ISBN:9784774306537
商品コード:29159
判型:A4変型
本体サイズ:縦20.2×横26.9×厚さ0.9cm
重量:400g
ページ数:32
対象:小学中学年から
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