2005年5月2日
「半分のさつまいも」

戦後60年の今こそ、平和への祈りをこめて読みたい物語
1945年3月10日――実に10万人もの命を奪った東京大空襲。家族6人を失いながらも強く生きる「かよ子」を通して命の尊さを伝える物語、『半分のさつまいも』をご紹介します。アニメ映画になった『あした元気にな〜れ! 〜半分のさつまいも〜』(製作:株式会社ルートピクチャーズ)は2005年夏、全国各地で公開されます。
ものがたり

『半分のさつまいも』
海老名香葉子・作/千葉督太郎・画
11歳のかよ子は、終戦後たった一人生き残ったすぐ上の兄と暮らすことを夢みながら、親せきや知人の家を転々とする。人々の人情にふれながらも、苦しくつらい日々は続き、かつて住まいのあった焼けあとを訪れては失った家族に思いをはせる。
ある日、おばさんの家を飛び出し寒さと空腹に震えているかよ子の前にあらわれた一人の復員兵。大切な食料である一本のさつまいもを半分にして分け与えてくれた見知らぬ人のやさしさに勇気づけられたかよ子は、今日までの悲しみを思い出にし、明日からは強く生きようと決心する…。
海老名香葉子さんの自伝的作品

二度と戦争が起きないことを心から願っています
『半分のさつまいも』は、東京大空襲で家族6人を失った海老名香葉子さんが、戦争孤児としてたどった戦後をつづった自伝的作品です。苦境に立たされながらも一生懸命明るく生きようとする「かよ子」の姿を通し、平和の大切さと戦争の悲惨さをやさしい語り口で伝えます。
そして、いま悲しい日々をすごしている子どもたちへ、勇気をもって正しく生きてほしいという願いもこめられています。小学上級から。
平和への願いをこめて、長編アニメーション映画に

長編アニメ映画「あした元気にな〜れ!」。主人公かよ子の声は上戸彩さんがつとめる。
(C)「あした元気にな〜れ!」製作委員会
戦後60年の今年、『半分のさつまいも』を原作に平和への願いをこめて長編アニメ映画「あした元気にな〜れ!」が製作されました。主人公かよ子の声を上戸彩さん、語りを吉永小百合さん、主題歌を歌手の林明日香さんがつとめ、6月中旬から全国各地で公開されます。
映画の情報がごらんになれます。
著者プロフィール
海老名香葉子(えびなかよこ)
昭和8年(1933年)、東京・本所(現・墨田区)に生まれる。東京大空襲で、父母兄弟等、家族6人を失う。昭和27年(1952年)、落語家の林家三平と結婚。2男2女の母。主な著書に、『ことしの牡丹はよい牡丹』(文春文庫)『お咲ちゃん』(徳間書店)『玉ねぎコロリン』(共同通信社)、児童文学作品『うしろの正面だあれ』(金の星社)などがある。東京都平和の日委員。
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