くもん出版トップ > “創り手”のメッセージ > Vol.39「日本昔ばなし 三まいのおふだ」の印刷所担当者に聞く!
2007年10月16日
「日本昔ばなし 三まいのおふだ」の
印刷所担当者に聞く!

絵本が世に生まれ出る一端を担う、誇り
ダイナミックな構成、画面から浮かび上がるような絵の迫力で注目の絵本『三まいのおふだ』。印刷を担当された、三美印刷株式会社営業部の千葉豪さんにお話をうかがいました。
千葉豪さん

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『三まいのおふだ』おざわとしお/再話 かないだえつこ/絵
1冊の絵本ができあがるまでには……
--書籍の印刷はどのように行われるのですか?
千葉さん:「印刷」とひと言でいっても、その中にはさまざまな作業工程があります。流れを簡単に申しますと、出版社からお預かりした文字や絵・写真といった素材をページの形にまとめる“組版”→絵(原画)や写真をデータに取り込み、印刷に用いるためのフィルムを作る“製版”→フィルムから、印刷機にかけて印刷するための元版を作る“刷版”→“印刷”→そこから、刷り上った一枚の紙から本の形に仕上げる“製本”という工程にうつります。
内容にもよりますが、通常1冊の本を仕上げるにあたっては、10〜15名ほどの人間が関わります。ただ、今回の仕事には30名以上の人間が関わっているのですよ。

アクリル系素材に精緻を究めて彫られた原画を初めて見た時、思わず「凄い」と感嘆の声が出ました、と千葉さん。
皆で創り上げていくのだという情熱
--今回の絵本で苦労されたのはどんなところですか?
千葉さん:通常の絵本では、青・赤・黄・黒の4色を掛け合わせて印刷するのですが、この絵本は特色と呼ばれる特別なインクを使用し、ページの表裏で異なる色を使い分けています。工程が複雑になる上、効率も悪く、非常に苦労しました。
また、画家の金井田英津子さんが目指す、作品への強いこだわりに技術的にどうこたえるか、悩みました。ただ、私が仕事をする上で大事にしていることのひとつに「あえて難しい仕事に挑戦する」というのがあります。「挑戦しよう!」という思いが湧いてくる仕事でした。(笑)
とはいえ、私ひとりではどうにもなりません。そこで、著者、編集者、そして弊社の各作業担当者が一堂に会し、この絵本が目指すこと、著者の目的を共有した上で、それを実現に導くために何ができるかを確認しました。ふだん現場の担当者が直接、著者とお目にかかることはないのですが、今回は、現場の長年の経験を生かし、お互いの意思の疎通をはかりながら、作業を進めることが重要だと考えたのです。顔が見えたことの安心感とともに、皆で創り上げていくのだという情熱が生まれ、次へとつながる信頼関係を築くことができました。これは大変貴重な経験でした。
絵本が世に生まれ出る一端を担う
--この絵本に込めた思いを、最後にひとこと!
千葉さん:私は印刷業界に身を置いて20年以上になりますが、なかでも特に“記憶に残る仕事”となりました。著者とはまた違う立場ですが、この絵本が世に生まれ出る一端を担えた、そのことを誇りに思います。
熱い思いをもった人々の手を経た『三まいのおふだ』が、多くの子どもたちの手に渡り、広く読んでもらうことを心から願っております。
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