2007年6月1日
「2007年ボローニャ国際児童図書展」レポート

魅力あふれる本を世界の子どもたちへ
毎年子どもの本の国際見本市がイタリアのボローニャで行われているのをご存知ですか? 4月24日から27日に行われた「ボローニャ国際児童図書展」の模様をレポートします。

楽しい装飾をほどこした、
各ブース。
子どもと本との出会いの発信地
ボローニャといえば、イタリア、エミリア・ロマーニャ州の州都。ヨーロッパ最古の歴史を持つ「ボローニャ大学」が有名なイタリアの町です。そうそう、以前サッカーの中田英寿選手が在籍したサッカーチームとして、その名前をご記憶の方も多いことでしょう。
そんなボローニャで、1964年より毎年行われているのが「ボローニャ国際児童図書展」です。ここでは、世界各国の出版者、作家、画家、図書館員、書店員、TV・映像関係者、印刷業者など、子どもの本に関わる人々が集い、「著作権の売買」を始め、「新規ビジネスの開拓」、「海外戦略の構築」、「最新児童書業界の動向を探る」……といったさまざまな目的のもと、商取引が行われます。

くもん出版の書籍が並びます。世界の子どもたちのもとへ…。
いざ、会場へ。万国旗に迎えられて、ゲートをくぐると、そこには広大なホールが立ち並びます。その広いことといったら……。とても1日だけで会場を回りきることはできません。4日間でようやく全体像がつかめるというところでしょう。ホール内には、アジア、ヨーロッパ、アメリカと国ごとにかたまった各出展者(各国の出版社)が独自の趣向を凝らしたブースがひしめき合います。自社のキャラクターで彩られたブース。民族衣装に身を包んだ出展者。書店や図書館で本を並べる際に使用する、楽しい形状の箱。子ども部屋を模したブース……。本そのものはもちろんのこと、その本をどのように売るか、そのイメージまでをも提案する、積極的な姿勢が大きな特徴です。

『わたしのおばあちゃん』(くもん出版)の画家クロード・K・デュボア氏と翻訳者の野坂悦子氏(上)、各ブースでは版権売買の交渉が行われています(下)。
商取引の場とはいえ、世界で唯一子どもの本のブックフェア。さまざまな国の人々と本について話し合える、というのは純粋に楽しく有意義なものですし、新たな出会いも生まれます。
2007年3月にくもん出版から刊行された『わたしのおばあちゃん』の画家、クロード・K・デュボアさんとの出会いもありました。オリジナル版の、ベルギーの出版社ブースには、クロード・K・デュボアさんを始め、各国の出版社の編集者、翻訳者が集まり、各国での反響や本作りの違いなどの話で大いに沸きます。こうした国を超えての著者・翻訳者・出版社のコミュニケーションを生んでくれるのも、「ボローニャ国際児童図書展」の大きな魅力です。

「ボローニャ国際児童図書展」では、世界中で出版された書籍の中から、優れた絵本に賞を与えています。
くもん出版から刊行された『シマウマだけどウサギ』は、1990年度グラフィック賞を受賞しました。
子どもによい本を手渡したい、本とのよい出会いを提供したいという思いを世界中で共有する「ボローニャ国際児童図書展」。
来年もそしてその先も、今はまだ存在すらしていない魅力あふれる本たちと、国や言葉は違っても、その本を子どもに手渡そうとしている人たちとの新たな出会いがそこでは待っていることでしょう。
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