2006年12月1日
「子どもとよむ日本の昔ばなし」の編集担当者に聞く!

親子で読んでほしい、昔話絵本の決定版
昨年の刊行以来ご好評いただいている「子どもとよむ日本の昔ばなし」シリーズの第2期が、11月についに発売となりました。編集担当者に、シリーズにこめた熱い思いを聞きました。
くもん出版 編集部 長谷総明

子どもとよむ日本の昔ばなし
第2期
再話者・画家・編集者がともに学びながら
--一制作はどのように行われたのですか?
長谷:まず、日本各地に伝わる何百という昔話の中から、監修者小澤俊夫氏をはじめ、小澤氏が主宰する「昔ばなし研究所再話研究部」のメンバーであるベテランの語り手が対象年齢や話のバリエーションという観点で話を選びます。さらにその話を実際に語って、耳でくり返し確かめながら、幼児にもわかりやすく楽しい話を厳選します。決定した話は、それぞれの土地の言葉になっているので、共通語に再話します。その文章をもとに、私も加わり、絵本のページ数に合わせ、話を場面で分けるのです。(場面割りといいます)そして、場面ごとに文章を推敲します。
場面割りの段階から小澤氏が関わり、丁寧な検討がなされたことで、話の骨格が際立ち、明快なストーリー展開が実現したのだと思います。
場面割りが済むと、画家の出番。特に絵本化していくには、昔話の性質を理解し、語りの世界を再現できる絵が必要不可欠です。例えば、創作絵本の場合、絵を引き立たせるために、デフォルメしたり、わざと遠近法を崩したりすることもあります。しかし昔話絵本では、語り口を無視し、絵だけが目立ちすぎてはいけない。画家の方には改めて昔話を勉強していただき、私自身も小澤氏のもとで昔話の語り口やメッセージを学びながら制作しました。

建造物や衣装などの小道具も細かく確認します。昔話だからといって、すべてを魔法にしてはいけない。生活がきちんと描かれているからこそ、話の不思議さ、面白さが引き立つのです。
創り手たちが大事にした、昔話の声
--一番苦労したのはどんなところでしたか?
長谷:「再話者が表現してほしいところ」と「画家が描きたいところ」。この2つをいかに融合させ、高めていくかが大きな課題でした。
画家は、絵のプロとして、昔話の世界をどう構築し、膨らませるかを追究し、再話者は昔話の、そして語りのプロとして、昔話の世界のあるべき姿を追究します。当然、意見がぶつかることもありましたが、それぞれが、何世代にも渡って語り継がれてきた昔話の声に耳を傾け、子どもへ昔話の世界を届けるという創り手の立場を意識したことにより、よい形で結実したように思います。

「うりひめこ」では、<<戸>>が重要な小道具。日本家屋の構造をきちんと描くため、建築の専門家のアドバイスを受けたことも…。
豊かで楽しい昔話の世界を
--読者のみなさんに、最後にひとこと!
長谷:第2期は、より年齢の低いお子さまでも楽しめるように、文章が短く、わかりやすいお話を選びました。ぜひお父さん、お母さんや身近な大人の生の声で、豊かで楽しい昔話の世界を、子どもたちに届けていただきたいと思います。
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