2005年10月7日
「子どもとよむ日本の昔ばなし」監修者のメッセージ

小澤俊夫さん
昔話の豊かな世界をぜひ親子でいっしょに
語り継がれた昔話の世界を、より魅力的に伝える文章と絵を追求した「子どもとよむ日本の昔ばなし」全12巻が刊行されます。監修の小澤俊夫さんのメッセージをお届けします。

「子どもとよむ日本の昔ばなし」シリーズ全12巻
「子どもとよむ日本の昔ばなし」 小澤俊夫
子どもは昔話を聞いたり、読んだりするのが大好きです。昔話は口伝えされ、耳で聞かれてきたので、ストーリーが明快で、語り口もシンプル、そしてクリアーなものです。
このシリーズには、土地の言葉で記録されたたくさんの昔話のなかから、幼い子にもわかりやすい話をえらびました。そして、お父さんや、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが幼い子に読んでやりやすいように、昔話本来のシンプルでクリアーな語り口を守りつつ再話しました。ひとつひとつのお話を、私が主宰する昔ばなし研究所の再話研究部全員で、くり返し耳で確かめながら、子どもが聞いて楽しめる文章を追求しました。画家の方々にも、昔話本来の語り口を理解してもらい、子どもが見て楽しめる絵をかいていただきました。
子どもにとって、昔話は親をはじめ身近な大人のなまの声で聞かせてもらうのが、いちばんいいのです。人間のなまの声は不思議な魔力をもっています。録音とはくらべものにならない魅力があります。子どもはなまの声でお話を聞くと、お話のこともその語り手のことも忘れません。なまの声は人と人とを結びつける力をもっています。どうぞこの絵本は、ご自分の声で読んでやってください。
すこし大きい子なら、自分で読むでしょう。その時は、大人は聞き手になってお話を楽しんでください。子どもにとっても大人にとっても、絵本は聞かせてもらうのがいちばんいいものです。読んだあとで子どもに感想などきかないで、おとぎの世界を、いっしょにゆっくり楽しんでください。
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