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絵本のたから箱

2006年4月3日

Vol.16『わんぱくゴリラのモモタロウ』

上野動物園<ゴリラの森>に、誰もが誕生を待ちに待った、赤ちゃんゴリラ「モモタロウ」が仲間入り。前回に引き続き、著者のわしおとしこさんからのメッセージをお届けします。

作:わしおとしこ

ゴリラ語でしゃべってみたい! わしおとしこ   


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おかあさんのモモコが、大事に大事に育てます。

 ゴリラは森のやさしい巨人です。そのゴリラたちが、絶滅の危機にあることを知って、ゴリラファンのわたしは、とても悲しくなりました。なんとか救うことはできないかと、いろいろ思いをめぐらしていました。

 ですから、上野動物園の<ゴリラの森>ができたときは、うれしかったです。うまくいけば、ゴリラの赤ちゃんが生まれると、期待に胸をはずませました。そして、ついに赤ちゃん誕生! そのニュースにふれたときには、それまで努力してきた飼育係の人たちのよろこぶ顔が、目に浮かぶようでした。

 「はいはいができるようになった」

 「歯が生えてきた」

 「ドラミングの練習を始めたよ」

 かわいいモモタロウの成長とともに、それを見守るモモコ母さんのやさしさには、ほんとうに感心し、驚きました。わたしは、ますますゴリラが好きになりました。

 ゴリラには、仲間どうしで使う「ゴリラ語」があるそうです。ゴリラ語で、ゴリラとおしゃべりできたら、と思います。食べ物のこと、子育てのこと、すみかのジャングルを奪う人間のこと……、話したいことが山ほどあります。でも、ことばがわからなくても、モモタロウやモモコの黒い瞳が、わたしたち人間に「ゴリラのことを考えて! 地球のことを考えて!」といっていますよ。わたしは、ゴリラたちの幸せを、心から願っています。

 前日にふった雪が溶けずに、あちこちに残っていた寒い日。千葉動物公園へ、モモタロウに会いにいきました。モモタロウは、雪を食べたり、ドラミングをしたり、広い野外放飼場で楽しそうに遊んでいました。モモコに、お乳をもらうこともありました。

 「よかった。元気なモモタロウに会えて……」

 秦副園長はじめ、千葉動物公園のみなさんが、モモタロウの成長ぶりを笑顔ではなしてくださいました。モモコはお母さんになったせいか、以前にくらべて、とても落ち着いたゴリラになったそうです。

 帰るとき「モモタロウ、さよならー」といったら、モモコのそばにいたモモタロウが走ってきました。そして、人間の子どもみたいに、石垣によりかかって立ったまま、見送ってくれました。

著者プロフィール

作家:わしおとしこ
東京都生まれ。
主な作品は、「やあ! 地球のなかまたち」シリーズ(アリス館)や、『いたずら小ゾウのパオ』(くもん出版)などがある。

 モモタロウが生まれたときのことを思いだして、ちょっと涙がでました。

 「バイバイ。モモコ、ありがとう」

 ゴリラ語で「さよならー」や「ありがとう」がいえたらいいのに、と思いました。

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