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くもん出版トップ > 絵本のたから箱 > Vol.15『いたずら子ゾウのパオ』

2006年3月1日

Vol.15『いたずら子ゾウのパオ』

はじまりの季節、春に生まれた赤ちゃんゾウ、パオの一挙一動には誰もが夢中!その誕生から、ひとり立ちまでを見守った、作者、わしおとしこさんのメッセージをお届けします。

作:わしおとしこ

パオは、うちの子! わしおとしこ   


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うれしそうに走るパオ。遊ぶのも大好き。

 わたしが、多摩動物公園の赤ちゃんゾウに会えたのは、生まれた次の日。

 「もうそろそろ、生まれるころ……」と思って、動物園に行ったら、うれしいニュース。

 「きのうの夜、生まれたよ。
 親子とも、元気!」

 わたしは、すぐにゾウ舎にかけつけました。「おめでとう!」と伝えたくて。飼育係の人たちは、この日がくるまでの苦労を忘れたかのように、にこにこしていました。「ほら、見てごらん」と、母親のアイと赤ちゃんがいる部屋を見下ろせる場所からそっとのぞかせてくれました。

 「あっ、かわいい」アイの横で、ごろんと眠っている赤ちゃん。

 「あっ、立ちあがった。うふふ。短い鼻! 顔の真ん中に、短いしわしわのホースが、ぶらさがっているみたい」

 わたしは、そこを離れられなくなりました。そして、とうとう、動物園が閉まるまで、見ていました。

 次の日の朝、わたしは、ケーキ屋さんにバースディケーキを頼みました。
「《おめでとう。赤ちゃんゾウ》と、書いてください」ケーキ屋さんはちょっとびっくりしたようですがチョコレートにゾウの絵をかいてくれました。

 パオは、うちの子です。バースディケーキは、1歳の誕生日にも、2歳のときも、3歳のときも、ゾウ舎に持っていきました。ちゃんと、ろうそくを立てて、パオの誕生日を祝いました。

 動物園に来るお客さんのなかにも、パオのファンはたくさんいます。みんな、「パオは、うちの子」といって、たびたび会いにきていました。

 ある日、パオが静岡県の富士サファリパークへ行くことを、耳にしました。わたしは、思わず「パオは、うちで飼います」といって、みんなに笑われてしまいました。そうです。そんなこと、できるはずがないのです。

著者プロフィール

作家:わしおとしこ
東京都生まれ。
主な作品は、「やあ! 地球のなかまたち」シリーズ(アリス館)や、『わんぱくゴリラのモモタロウ』(くもん出版)などがある。

 いつか、きっと会いに行くからね。パオ、元気でね。パオが、すばらしいお父さんゾウになる日をずっと待っているからね。

 かわいいパオの写真がいっぱいの、この本を作ることができて、ほんとうにうれしいです。開けば、いつでも、パオに会えるのですから。

 みなさん、どうぞ、パオをよろしく。

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