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2005年7月1日
Vol.7『楽園』

多くの生きものがすみ、原生林におおわれた北海道、知床。この生命の楽園を舞台にした絵本が刊行されました。人と自然の共生のメッセージをこめた、作者関屋敏隆さんの思いをお届けします。
作:関屋敏隆
人と生きものが共生する真の楽園

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凍える手で何度もスケッチをした、スケソウ漁。
「知床」は、アイヌ語でシリエトク、「地の涯」という意味ですが、北海道の北東の端オホーツク海につき出た半島です。多くの生きものがすみ、今なお原生林におおわれた原始そのままの姿が息づいています。大学生の頃、この知床をたずねた時から私の旅ずきの人生がはじまりました。
特に知床が大すきな理由は、心に残る青春の思い出とわたしのすきな森繁久彌の「知床旅情」の歌が生まれたところでもあるからです。その後訪れる回数もふえ、大自然に抱かれる心地よさを感じながら探検や冒険にチャレンジしてかいたスケッチも何百枚となり、スケッチブックは何十冊となりました。
2004年3月、北海道文化放送のテレビ局から予期せぬ知らせが届きました。1年間にわたって知床を取材し、絵本をつくる過程の撮影をしたいという夢のような話でした。
私は、つね日頃、絵本はひとつの映画作品だと思っています。脚本、監督、カメラ、構成、編集すべてが必要です。絵本の文も絵もかくには、ひとりですべてをこなさなければなりません。そのため、撮影では、カメラの眼が特に気になりました。どのようにとらえて表現するのかを知り、勉強になりました。

著者プロフィール
関屋敏隆
1944年、岡山県生まれ。京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)工芸科染織専攻卒業。
主な作品に『中岡はどこぜよ』(文・田島征彦 くもん出版)、『オホーツクの海で生きる』(文・戸川文 岩崎書店)、『まぼろしのデレン』(福音館書店)がある。
ロケ隊は、知床を撮影し映像作品をつくり放映する。私は絵本で表現し知床をかく。私は熱く心がときめき、競争心がわきました。
厳しい冬も終わり、雪どけ水が海に注いで春を告げる頃、無事撮影も絵本制作も終わりました。そして『楽園』が生まれました。この絵本は、シルクスクリーンの技法を使い、原画となる絵本の型をつくり、布地に黒インクで摺り、その後染料で彩色して完成しました。
この絵本をもって一度知床を旅してください。すばらしい出会いが待っていますよ、きっと。
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