くもん出版トップ > 絵本のたから箱 > Vol.6『うちのパパが世界でいちばん! パパのつかいかた33』
2005年6月1日
Vol.6『うちのパパが世界でいちばん!
パパのつかいかた33』

絵本作家、童話作家、脚本家……etc.そして毎日パパとして活躍中のきむらゆういちさんが翻訳を手がけた、愛情&ユーモアたっぷりのパパの絵本が刊行されました。
ぶん:ハリエット・ジィーフェルト
え:アマンダ・ハーレイ
やく:きむらゆういち
言葉の向こうにあるもの

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思わずふきだしてしまう、パパの奮闘ぶり。
子どもって、みんな本当は自分の親を自慢したいものなんだね。でも照れくさくてストレートには言えない。そういう家族の心のあり方が、この絵本では、リアルに描かれている。例えば、2の「ふたあけき」。言葉だけだったら、ばかにしているのか? って思うかもしれないけれど、「みんなが開けられないふたも、パパなら開けられるんだよ」っていう自慢の裏返しにもなる訳で……。悪く言っているようで、実は愛情の表現だってわかる。それに、この感覚! 親の愛情表現の最たるものを「エアコン」と呼ぶ、面白さ。家族だからこそ言える、愛情をこめたジョークみたい。逆に「うちのパパはすごい、すごい」というだけなら、面白くないし、「現実は違うな〜」と思うんじゃないかな。
最近、人間って正直だなと思うことがある。けれどもそれは言葉が正直なのではなくて、その言葉の向こうにある“気持ち”、それが素直なんだ。例えば、因縁をつけてくる人が、実は寂しくて人と関わりたいからだったり、本心に気づいてほしくてわざと逆のことを言っていたり。言葉そのものは違っても、裏側の“気持ち”をのぞいてみたら、みんな素直に表現している。そう考えると、憎らしい人も愛すべき人になっちゃう。(笑)
家族もそう。「なぜうちの子はこんな風に怒って私にあたるんだろう」って思っているお母さんがいるとする。でもそれはお母さんが憎い訳ではなくて、かまってほしいとか、自分のほうを向いてほしいとか、求めるものがあるんだよ。正直に表現しているけれど、言葉と気持ちが即イコールにはならない。時々翻訳がいるんだよ、家族にも。

訳者プロフィール
きむらゆういち
東京生まれ。絵本・童話の創作、戯曲、コミックの原作など幅広い分野で活躍。著書は300冊以上にのぼり、『あかちゃんのあそびえほん』(偕成社)『あらしのよるに』(講談社)等数々のロングセラーシリーズがある。訳書に『ボサいぬくんのかゆーいいちにち』(くもん出版)がある。
それでも、絵本では、最初は「ふたあけき」だなんだと言いながら、徐々に「おはなしめいじん」「おまもり」……とパパへのストレートな評価に変わっていく。今回の絵本では、言葉と気持ちが一致していく“流れ”をきちんと作ることを大切に訳した。
家族って、とても不思議な関係だと思う。だからこそ面白い。家族だから照れくさい、家族だから言えない、でも家族だからこそ、愛しい……。そんな家族・親子というものの心のあり方や微妙な距離感も含めた、あらゆる部分が、この1冊に凝縮されている。子どもがページをめくりながら、自分のパパのことを思って楽しんでもらいたいし、もう大きくなった子どもがいるパパにも読んでもらえたら嬉しい。子どもの成長とともに過ごした日々が懐かしく思い出されると思う。
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