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2005年3月1日

Vol.3『いろいろあってね』

言葉のおもしろさと、細部まで描きこまれたイラストで展開する新しい色の世界。著者内田麟太郎さんと画家本信公久さんに、絵本にまつわるおはなしを聞かせていただきました。

ぶん:内田麟太郎
え:本信公久

対談『いろいろあってね』のいろいろあったはなし

--このコンビで絵本がうまれたきっかけは?


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すいかにのる人とカメレオン。大胆な画面が楽しい。

本信:以前から色の絵本をつくりたくて、一枚ずつの絵を描きはじめました。何枚かの絵ができあがったんだけど、文章はどうしよう? そうだ、内田麟太郎さんどうかな、と。書いていただけるかどうか、まずは電話でお話して、絵のコピーを送りました。しばらくして、文章が送られてきました。ということは書いていただけるんだ、と。(笑)

内田:嬉しかったんですよ。絵が先というの初めてなんです。初めてのことっていうのは、わくわくするわけですね。

--絵が先にあるのと、例えば「みどりについて書いてください」というのと、どちらがおもしろいですか?

内田:基本的には同じかもしれません。「みどり」、「どり」、「よりどりみどり」、「おどり・おんどり・ひなどり」ってぱぱぱぱってきます。そんな風に脳みそに習慣ができているところがあります。それをどう組み合わせたらおもしろいかということですね。


作者、内田麟太郎さん(左)と画家、本信公久さん(右)

--例えば「しろ」で、雪女がサンタさんを待って……この発想はどこからくるのですか?

内田:まっとうにいうと、雪女は怖いもので男をとり殺すものです。みんなが雪女にもっているイメージをずっこけさせる、ということ。ずらしというのは、ひとつの笑いの法則です。いたずらしている子どもが見るような視点でものを見るとでもいうのでしょうか。

 堅いとだめだと思うんですね。また「はいいろ」では、ねずみくんが最後に「−はい」といっておわります。ここは全部整ったかたちでいくと、おもしろくないのでちょっとなぞなぞみたいにしてみました。でも、ほんとうは、文句をいわれるんじゃないかと思ったんですよ。「内田さん、ここ手抜きしないでもっと書いてください」って。(笑)

--おふたりのお気に入りのページは?

本信:「ちゃいろ」好きですね。

著者プロフィール

内田麟太郎
1941年福岡県生まれ。主な著書に『さかさまライオン』(童心社)『ともだちや』(偕成社)などの絵本をはじめ、詩集他多数。本信氏とのコンビ作品に『たかーい たかーい』(金の星社)、『かたちのおしゃべり』(くもん出版)がある。

本信公久
1944年福島県生まれ。絵本作家、グラフィックデザイナー。主な著書に『しまうまだけどうさぎ』『ぐるり』(くもん出版)がある。

内田:ちょっと土俗的なものですね。本信さんの絵はかなりモダンだから、あまり土俗的なものは好かれないのではないかなと思ったんです。でも、そおっとしのばせてみたら、そういうものが好きだとおっしゃる。「ありっ」という感じでしたね。それから「みどり」。このカメレオンの目なんて同じみどりでも6色もあるでしょ。これもすごいですよね。

本信:そうですね。いろいろやってみました。同じみどりでも無限のみどりがありますから。単純な色の絵本は結構あるんですね。「赤はりんご」みたいなね。そういう色の絵本はつくりたくなかったんです。なんかこう変わった色の絵本をつくりたくて。

内田:色校*を見たとき、すべてのページがああ深い色だな、と思いました。こんなに深いとは思わなかったんです。これはきれいな絵本になるなあ、と思いました。

本信:この絵本では、内田さんの文章を読んだ後、絵を見ながら親子で自由に文をつくったり、絵のなかでものを探したりして遊んでもらえるといいな、と思っています。

*色校(=色校正紙):色の出具合や調子を確認するための校正紙のこと。

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